管理物件を増やそうとするときの「犯しやすい5つの間違い」、
よっつめは、
オーナーの「言いなり」で預かってしまうこと、です。
今回は、タイトルを見れば、大体の内容は予想がつくと思います。
まず管理物件を預かる時は、
先入観念(オーナーの希望賃料)を忘れて「物件の評価」をしましょう。
「評価」するには、
1.該当物件のターゲット(どんな入居者が暮らすか)
2.そのターゲットが望む条件(間取、設備、建物、立地)
3.そのターゲットが払える(払おうとする)賃料の範囲
などを想定します。
※ターゲットの分類は以下を参考にすると良いでしょう
・若い単身世帯(学生、20代の社会人) 20~25m2
・少し収入のある単身世帯(30代の社会人) 30~45m2
・カップル(新婚、DINKS) 40~60m2
・夫婦と子供(上の子が就学前) 50~70m2
・夫婦と子供(小学生以上) 70~85m2
・その他(老夫婦・母子家庭など) 40~50m2
次に、ターゲットが見て該当物件をどう評価するか、
AからEまでの5段階にランク付けをします。
Aなら、3で想定した賃料の上限で募集できるでしょうし、
Eなら、一番下の賃料でないと借り手は見つからないでしょう。
2で想定した設備や間取に近づけることで、
ランクがCやBに上がるなら、想定賃料も上がります。
ここまでやったら、「オーナーの希望賃料」を思い出してください。
大した差がなければラッキーですね。
説得に苦労はいらないでしょう。
このように書くと、「こんな複雑な作業は出来ない」と反論がでるかもしれません。
それほど時間をかけた、複雑な作業をする必要はありません。
例え15分や30分でも良いので、
複数のスタッフで、上記のような「検討会議」を行ってください。
頭の中でシミュレーションするだけでも違います。
間違っても、
「エイッヤッ」と
「家賃が3000円高い」「エアコンを付ければ決まる」などと、
直感を頼りにするのはやめましょう。
「どんな人」が暮らすかも考えずに、物件の評価はできない はずです。
もし「オーナーの希望賃料」と大きな差があったら、
「企画案」で説得する必要があります。
3の賃料の範囲の「上限」を狙うか(だとしたら、間取の変更、設備の追加、外観のイメチェン等が必要でしょう)。
あるいは真ん中か下限か。
この選択は「オーナーの目的」によって違いますから、
事前の情報収集をしっかりしておいてください。
プロパティマネジメントの仕事は「オーナーの収益」を増やすこと です。
言い換えれば「キャッシュフロー」を増やすこと です。
収益を増やすには「最も高く貸す」ことが唯一の手段ではありません。
それよりも、ロス(空室、値引き、未回収など)を減らすことの方が重要です。
そう考えれば、
「オーナーの希望賃料」で預かるより、
貴方の「物件の評価」によって提案される「企画案」の方が収益を増やすはずです。
そう信念が持てるなら、あとは説得するのみ。
どんな順序で、何を、どのように説明すればいいか、
頭をフル稼働して考えてください。
結果として
・データを揃えて
・プレゼン資料を作成して
・トークを考えて
・何度もロープレする ことになるでしょう。
オーナーが貴方の提案を採用するかどうかは、
80%は「提案内容の質」で決まり、
20%は、貴方の「プレゼン」で決まります。
頑張ってください。
(せっかく良い提案なのに、プレゼンが下手で採用にならないことも多いですよ)
最後にもう一度、
オーナーの募集条件を「言いなり」で預かっては「ダメ」です。
次回は5つめの「犯しやすい間違い」、
オーナーアプローチのために最初から「人が行く」こと、です。
エッ?
人が行ってはダメなのかな・・・・?