賃貸物件の秤(はかり)のバランスを取り戻して、
「見せ方」や「貸し方」に工夫をすることが重要です。
でも、それを実行するのはスタッフです。
スタッフの皆さんが、空室対策に対する気持ちを、常に前向きに持ち続けることが出来なければ、
いままでの話は絵に描いた餅になってしまいます。
今回は、
「空室対策を進めるための社内体制づくり」です。
さて、空室対策に対する意識を持ち続けるために視覚効果を狙いましょう。
「入居率」の数字を、スタッフの目に付くところに大きく貼り出すのです。
すでに、あなたのところでは貼りだしていることでしょう。
入居率は、目標と現在の数値の両方を貼りましょう。
たとえば、「今月末の目標値」と「本日現在の数値」を並べます。
そして、目標にたどり着くために、「決めるべき部屋数」を明確にします。
「あと何部屋」決めれば目標達成という風に・・・・
つぎに、定期的に「空室対策会議」を開きましょう。
ひとつの例として、
月曜に会議を開いて、
そのとき検討課題として出された物件の空室対策案を決めます。
火曜から木曜までの間に、オーナーに提案して了解を得ます。
そして、金曜日までにネットと案内図の変更を終えて、
近隣の客付業者にも告知して、
土曜と日曜にお客様をご案内して、決めてもらうのです。
空室対策会議のメインテーマは、
いくつかの空室物件を課題としてあげて、全員で対策案を話し合うことです。
秤(はかり)の均衡を取り戻すためのアイディアや、
その「見せ方」や「貸し方」を考えたり、
案内件数を増やす方法や、
案内後の申し込み率を高める工夫を、参加者全員で考えます。
会議のテーマとしてその他には、入居率の目標値を決めたり、
全国の賃貸管理会社の成功事例を調べて発表しあったり、
自社の空室対策力を常にアップさせていくことを目指しましょう、
時間にして30分から60分程度。
ダラダラと行わずに、テーマに沿ってテキパキと進めましょう。
物件を担当制にすることで、空室対策の意識を高めることも出来ます。
担当スタッフごとに入居率を明確にすれば、
責任意識と競争意識も高まります。
もうひとつ、大事なのは、
入居率が高いという実績が評価される社内体制です。
賃貸仲介料売上の実績や、管理物件の獲得実績と並んで、
高い入居率を達成したスタッフに名誉が与えられる環境を作ることも、
空室対策を永続させるためには大事なことです。
ひ サイトの記事3回分を使って、
空室対策を3つの切り口で考えてきました。
オーナーに役立てる賃貸管理として、一番分かりやすいのは「入居率」の実績です。
もし、10000戸の管理物件があったとして、
その入居率がいつも99%を超えていたら、
黙っていてもオーナーから「管理してほしい」と申し出があろうことは、
容易に想像できるでしょう。
99%は不可能としても、95%という数値は現実的です。
実際に維持し続けている賃貸管理会社さんは、全国に何社も報告されています。
それらはすべて、一朝一夕になった訳ではなく、小さな改善の積み重ねで今日を築きました。
専門家と評する方たちが空室対策を語っていますが、空室対策の本当の答えは、
「〇〇をやったら実現できる」というノウハウではありません。
空室を無くしたい、という強い意識を持ち続け、
そのためのアイディアを全員で考え、
新しい手法にもチャレンジして、
それらに改善を加えて、
決して諦めずに最後までやり続ける姿勢が、
やがて「入居率95%以上」を維持する組織を作り上げるのです。
ぜひ、あなたの社内にも、「高い入居率を維持する組織」を作り上げるよう、
一歩一歩と前に進んでください。
最後に、
空室対策は「目的」ではなく「手段」であることを忘れないでください。
目的は、「オーナーの収益を増やすこと」です。
その実績によって、あなたの管理物件を増やすことです。
ほとんどのケースでは、
空室をなくすことと、オーナーの収益を増やすことは「イコール」で結ばれます。
しかし、不適切な空室対策の場合は、逆に「収益を減らしてしまう」ことに、つながる場合もあります。
だから、空室を埋めるために「家賃の値下げ」に頼ってはならないのです。
空室対策の基本中の基本として、この考えをスタッフ全員で共有していただきたいと思います。
続きは次回といたしましょう。