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あなたも「空室対策アドバイザー」を名乗りませんか。

長くなりそうなので何回かに分けて「空室対策をテーマに」取り上げます。

空室対策は、いろいろな本やセミナーで語られている、オーナーに人気のあるテーマですね。
「空室対策専門家」を名乗ってDVDを販売したり本を出版している人もいます。
インターネットを使うと、ちょっとした専門性で商売が成り立つのですね。

空室対策の手法を語ったら、キリがありません。
でも、空室対策の本質はシンプルです。

僕は「賃貸管理研修」や「賃貸仕研修」で参加者に次のように提案しています。
「名刺に“空室対策アドバイザー”と印刷してはどうですか」

印刷するのは簡単ですし、特に資格も必要はありませんよね。
ただし、そのような肩書を名乗る以上、本当に能力がなければなりません。
だから、「あなたには空室対策能力がありますか」と尋ねているワケです。
あるなら名乗った方がいいと思いますよ。
その方がオーナーの、
「この人は、私にどんなメリットを「もたらせて」くれるのか」
という疑問に一発で答えられますから。

もうひとつ、この研修の冒頭で、
空室対策を「オーナーの持つ秤(はかり)」を例にして説明しています。

まず、左側にオーナーが所有している賃貸物件の、価値を構成する錘(おもり)が乗っています。
その錘(おもり)は6つあります。

立地と、
建物と、
部屋と、
設備と、
条件と、
サービスです。

右側には、家賃という錘(おもり)が乗っていて、
均衡をとろうとしています。

分かりにくいと思うので図を用意しました。
http://geonetwork.co.jp/downloads/images/120213.jpg

もし決まらない物件があるとしたてら、
図のように左右のバランスが崩れているのです。
左の錘(おもり)の重量の合計よりも家賃の方が重いのですね。
つまり、「家賃に見合った価値のない状態」です。

空室対策の基本は、
「秤のバランスを整えて、均衡状態に戻す」ことです。

そのための方法は2つしかありません。
左側を重くするか、右側を軽くするか、の2つです。

先に右側を軽くする、つまり家賃の値下げを唯一の手段とするのは間違いです。
それでは、
オーナーの資産価値を下げることになります。
積極的に資産価値を下げるような賃貸管理は、オーナーの支持を必ず失います。
そして家賃を下げ続けると、
トラブルや家賃滞納の多い入居者が入ってくる可能性が高くなります。

賃貸管理会社としても、管理収入が減ってトラブルが増えるのですから
いいことではありません。

左側の6つの錘(おもり)の「どれか」を重くすることができないか。
出来るとしたら「どんな順序で」重くするか、
それを考えるのが空室対策です。

左側の錘(おもり)について簡単に説明しておきましょう。

まず「サービス」とは、
入居者に快適に住んでもらうために行うものです。
テナント・リテンションといいます。
借主(テナント)を保持(リテンション)するための行為です。
※このメルマガでも何回か取り上げました。

たとえば、
共用部分が「いつも綺麗で整っている」という状態を保つのは基本中の基本です。
エントランスや、共用廊下や、駐輪スペースなどが乱れている物件に
だれも長く住みたいと思わないでしょう。

そして、長く住む人が「得する」というルールを考えます。
一定期間住むと設備を増やしてもらえるとか、
4年に一度の畳替えとか、
プロの室内清掃サービスが受けられる などです。

すくなくとも、
同じ家賃なら「もっといい物件がある」という理由による解約は避けたいですね。

「条件」とは
ひとつは、「ペット可」などへの変更を検討します。
年齢、その他の入居制限を緩和することも検討課題です。
また、入居時費用をなくしたり、
フリーレントとして最初の家賃を無料とする、などの条件も検討できます。
家賃を下げると入居期間中すべてに影響しますが、
入居時の一時的なものなら家賃収入への影響も限定的で済みます。

「設備」は、説明するまでもありませんね。
もはや入居者には必須と言われる設備も増えていますすし、
ターゲットを絞った上で必要となる設備もあります。
そして、老朽化によって交換が必要な設備もあります。

「部屋」は、
費用が少なく効果的なのは「壁クロスの貼り替え」ですね。
白基調の無難なものではなく、ターゲットを絞った上で決めるべきです。
男性と女性では、あなたが選ぶクロスがまったく違うはずです。

間取の変更を決断することが必要なときもあります。
特に過去に供給の多い3DKは、極端に需要が失われてしまいました。
2LDKや1LDKに変更することで、根強い需要が掘り起こせるエリアもあるでしょう。

「建物」は、
特に外観が重要です。
お客様は外観を見て最初の判断を下します。
この第一印象が悪いと、挽回するのが難しいです。

外観は、費用をかけなくても「見た目」の整備が可能です。
植栽や、門扉や、物件銘板を変えるだけでも印象が違ってくるでしょう。
普段の清掃の「良し悪し」も影響します。
そして、10年を越えたら外壁塗装工事を考える時期です。

ひ これらの錘(おもり)の「どれか」の重量を増すことによって
秤の均衡を取り戻すのです。

右側の家賃を下げてバランス調整するのは、
最初からあきらかに相場をオーバーしている場合を除いて、最後の手段とすべきです。

どの錘(おもり)を重くするか、
どんな順番で手を打つか、
あるいは家賃でどう調整するか、
それが空室対策の処方箋です。
「名医の腕の見せ所」になります。

そのときに特に考慮しなければならないのは、
「現在の賃貸物件には個性が求められている」ということです。

左側の6つの錘(おもり)は、均等に重くするよりも、
1つか2つの錘(おもり)が目立っている方がいいのです。
つまり、ターゲットを絞った賃貸物件としなければ埋もれてしまうのです。
俗に、10人のうち8人くらいが嫌っても、2人が好きになってくれる部屋を目指します。

そのためには、市場調査が欠かせません。
もちろん、新たに調査しなくても、あなたはエリアを熟知しているはずですね。

賃貸物件を探しに来るお客様に、どのような要望をお持ちの方が多いか、ということを知らなければなりません。
そして、あなたのエリアに、どんな物件が不足しているか、ということも知ってください。

もっと具体的に書きましょう。
あなたのエリアに住みたいという客層にはいろいろありますね。
シングルと、カップルと、ファミリーに分類するとします。
シングルにも20m2前後を求める層と30m2、40m2を望む層がありますね。
ファミリーにも、就学前のお子さんと小学校以上のお子さんでは事情が異なります。
それぞれの予算、希望する広さや設備は色々です。
これが「需要」です。

次に、このエリアに建築されている賃貸物件があります。
間取り、広さ、構造タイプなど、これも色々です。
これが「供給」です。

この、受給のギャップを知ることが大事なワケです。
※ほとんどのエリアで「受給ギャップ」が起こっているはずです。
※だってハウスメーカー等の供給側は「需要」なんて考慮せず建てていますから。

需要があり、供給の少ない賃貸物件。
これが、どの錘(おもり)を重くするかの、最大のヒントなのです。
「名医の処方箋」には、このような隠された情報が必要だったのです。

ひ 秤の均衡を取り戻す処方箋が描けたとして、
次は、オーナーの説得が鍵になります。
オーナーが判断するのに十分なシミュレーションを用意してください。

秤が均衡を取り戻し、バランスが取れたとしても、
それで空室が決まるとは限りません。
同じレベルのライバルは、エリア内に多く存在するはずです。

2番目の切り口は、「見せ方」と「貸し方」です。

それば、次回にいたしましょう。

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