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連帯保証会社の功罪

今回は「家賃滞納者への対処」です。

このテーマについては書きたい事は、ひとつやふたつではありません。
全て書いたらメルマガ1~2ヶ月分になってしまうかもしれません。
そんなに続いたら皆さんは飽きてしまいますよね。
なので、時折、書いていくことにします。
今日は「連帯保証会社の功罪について」  です。

僕が賃貸管理の現場にいた頃は、「連帯保証会社」は存在していませんでした。
「家賃滞納者への対処」は、すべて自力で行っていました。

実は、賃貸管理を担当する前に、「消費者金融」の仕事に就いたことがあります。
「雇われ」の身分ではなく「経営者」の一員として「新規事業の立ち上げ」に参加したのです。

金融業で重要なのは「貸すこと」と「回収すること」だと思います。
そして、どちらか一方を、と言うなら「回収すること」の方が重要です。
金融業にとって「回収する技術」は、無くてはならないもの、です。
(賃貸管理業にとっても同じですよ)

誤解を恐れずに言うなら、
「回収する技術」が高ければ、「多く貸せる」し「金利も高く取れる」のです。
(法を守らなければならないのは当然です・・・・・念のために・・・・)

だから、「消費者金融」の経験で学んだ多くは「いかに回収するか」、というノウハウでした。

しかし、賃貸管理の仕事に就こうとする人に「回収の技術を高めよう」という感覚は、あまりないですね。
現場で「技術を伝えてくれる」人もいないと、対応が「アマチュア」に劣化していきます。
「追い出し屋被害」が多く起こりましたが、あれも「アマチュアの行為」のひとつです。
もう一つのアマチュアは、「初期督促」がしっかり出来ていないこと。
(この辺のノウハウは、そのうちにテーマにしたいと考えています)

さて、「連帯保証会社」に話を戻しましょう。
「連帯保証会社」の登場が、賃貸管理の現場から「回収の技術」を奪ったのは間違いありませんね。
「アウトソーシング」という、簡易で、便利で、誘惑的な「選択肢」には、なかなか逆らえないでしょう。
面倒な回収作業から手を切る事ができるのですから。

「連帯保証会社」が、私たちにとって便利な存在で「有り続けて」くれれば問題はないのです。
「回収の技術」が賃貸管理会社に「ゼロ」になっても、保証会社が「頼もしいパートナー」として存在してくれるなら良いことです。
しかし、登場してから10数年を経て、いくつかの問題点が明らかになってきました。

まず、「追い出し屋」と言われるような連中の存在です。
アマチュアであり、暴力的であり、オーナーに対して無責任な行為です。
(この中に「反社会的」な団体は入れてません。当事者たちも普通の会社に勤めているつもりです。それなのに「追い出し屋」になってしまうのが問題なのです)

保証会社が倒産するというリスクも明らかになりました。
リプラスの事例を持ち出すまでもありませんね。
小さな会社の例は過去から数多くあります。

保証会社が事業を投げ出す事例も起こりました。
不動産ポータルサイト「ホームズ」を運営している株式会社ネクストが体表例です。
事業を継承する会社は当然に用意されますが、もともと「ホームズ」というブランドを信頼して利用した管理会社も多いはずです。
裏切り行為、ですよね。

条件を一方的に変更してくるケースもありました。
「リクルートフォレントインシュア」は、保証料を突然に「倍」にしました。
あくまで個人的な予想ですが、
同社はネクストのように、途中で投げ出す可能性もあるのでは、と疑っています。
「回収技術がアマチュア」であることが露呈した、と判断しています。

リクルートは経営数値(回収率の悪化など)が原因で値上げしたのでしょうが、
もうひとつの可能性として、保証会社の優位性が圧倒的になったときに、料金の値上げを「通告」してくる、事態もあるのではないでしょうか。

ポータルサイトへの掲載料金で行われた、ホームズの課金制のように。
(株ネクストは保証業務も途中で投げ出して、ポータルサイトの掲載料金改定も一方的だと思います。
不動産業界で「仕事をさせてもらっている」のに、この振る舞いは「けしからん」と個人的に思っています。あくまでも「個人的」に。)

実は、もうひとつ「見落とされがち」な問題点があります。
賃貸管理業務にとって重要な問題です。
それは、
「連帯保証会社」は、「火事」や「自殺」などでオーナーが被る損害を保証しない、ということです。

個人の連帯保証人なら、「火事」や「自殺」の場合も保証する範囲に含まれますね。(裁判で争われるネタなので、判断が微妙なことは事実です)

しかし、「連帯保証会社」は保証契約で、保証する範囲を限定しているはずです。
つまり、保証される範囲に「穴が開いて」います。
賃貸管理会社としては、その「穴」の部分は補わなければなりません。
オーナーのリスクを軽減するのが役目、だからです。

※言葉の定義では「プロパティマネジメントなら」と言った方がいいかもしれません。

だから、個人の連帯保証人が必要になります。
「連帯保証会社が保証しない部分」という限定条件で「よし」です。
つまり、「家賃の滞納等は保証しなくてもよい」、という条件です。
就職の際の「身元保証人」と似ているかもしれません

もし、連帯保証会社を付けて、さらに個人の保証人を要求するのは無理、と現場で判断するなら、
「火事」や「自殺」による損害に対して、オーナーは「担保されていない」と認識すべきです。
そして、オーナーに伝える責任があります。

「穴」が開いている事を承知で、
その「穴」を埋めようとせず、
オーナーに危険性を伝えない、
というのは無責任ですよね。

まとめですが、
「連帯保証会社」を利用することに反対しません。
僕が現場にいても利用していると思います。
(管理戸数が1000戸を超えているなら、自分で「保証会社」を立ち上げることを検討すると思います・・・・余分な話ですが。)

ただし、保証会社を利用する「リスク」を知らなくてはなりません。
そのリスクを軽減(ゼロに出来ないとしても)する措置をとるべき、だと思います。

そして軽減する手段のひとつは、「回収の技術」を現場で育成することだと思います。
「倒産」のリスクや「投げ出される」可能性や「値上げ」の不安に対処するには、「自分たちで回収できる」という事実が必要です。

もうひとつ、
「回収の技術」が必要なのは、「連帯保証会社の督促状況をチェックしたい」という理由もあります。

連帯保証会社が「正しく督促しているか」を見極めたい、のです。

「正しい督促」とは?
次回です。

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