前回までは、オーナーに届ける「3つの報告書」について書きました。
すでに、毎月提出している方も いらっしゃるかもしれません。
作成しようと思えば出来なくはないですね。
でも今日の書類は、作成してオーナーに提出するのは“結構”難しいのではないでしょうか。
それは「賃貸物件の年間の収支予算」です。
皆さんの会社では、年の初めに「売上予算」を作るはずです。
賃貸管理の部門なら下記のような項目が並びます。
・管理料売上
・更新手数料
・仲介手数料
・広告料
・リフォーム売上
・その他
前年比10%アップなどの目標を掲げて、月々に割り振りますね。
もし管理物件を増やすことが目標にあるなら、期首と期末の管理料売上の差が、その年の成果を物語っているはずです。
なぜ「予算」を作るのでしょうか。
それは、目標を定めれば、それを達成するための行動が明確になるから、です。
そして、途中で経過を確認し、軌道修正することができます。
いわば、ジャングルの中のコンパスのようなもの。
「WOWOW」の番組で「UFC-究極格闘技-」というのがありまして、、、
先日「山本“KID”徳郁」という選手が出場して、残念ながら外国人に負けてしまいました(アメリカで行われている大会だから、山本が「外国人」なのですが)
“KID”山本は、第一ラウンドは大振りが目立ち、その隙を突かれてテイクダウンを何度も受けてしまいました。
(“KID”山本はパンチ力に自信があるので、そういう戦法なのでしょう)
ところが、第二、第三ラウンドも同じ戦法を続けたので、繰り返しテイクダウンを受けて、採点を悪くして判定負けになりました。
ファンとしては、なんとも歯がゆい試合展開です。
敗因はなんでしょうか。
そうです!
“KID”山本陣営は、途中で作戦の「軌道修正」が出来なかったのです。(少なくとも素人目には、そう見えました)
作戦(予算と同じ)は勝つために立てますが、思い通りに行かない時に「軌道修正」するためのものでもあるのです。
最初から作戦がなかったら、軌道修正もへったくれもありません。
話を元に戻して(格闘技の嫌いな方、申し訳ありませんでした)、
ところで、賃貸経営するオーナーも、「予算」が必要なのは同じ、です。
皆さんの「ご商売」のように、年が変わるごとに劇的な数値の変化はありませんが、目標を定めて、そのための行動を明確にする必要があるのは変わりません。
オーナーも賃貸の「経営」をなさっているわけです。
そこで、皆さんのオーナーの中で、毎年「予算」を立てている方が、どれくらいいらっしゃるでしょうか。
この「賃貸物件の年間収支予算」を皆さんが作成するのは難しい、と冒頭で言いました。
理由は、
「下手に予算を出して結果が下回ったら怒られてしまう」だったり、
「そもそも、収支予算を組むほどに、オーナーの数字の実態を掴んでいない」のもあるし、
「オーナーが特に望んでいない」というのが決定的です。
ただ、「経営には予算は欠かせない」のも事実です。
ですから、自社物件や社長さんの所有物件があるなら、これは「予算」を組んでみてはいかがでしょう。
そして、理解していただけるオーナーがいるなら、「予算作成」を提案してみてはどうでしょうか。
皆さんの会社の「予算」が「売上」だけなのと比べて、オーナーの「予算」は「収支」であることが大事です。
なぜなら(お分かりですよね)、
オーナーの目的は「売上を増やす」ことではなく、「利益をあげる」ことだからです。
(売上を増やしたいなら、ドンドンとリフォームに金を費やせばいい)。
だから、「収入」と「支出」の両方に予算を立てる必要があるのです。
「プロパティマネジメント」は「オーナーの収益の最大化に尽くす」と何度も言いましたので、理屈では、「予算作成」は必須の行動となります。
この話は「得だねッ情報」に書くと、皆さんに迷惑がかかります。
( 「すぐに予算を作ってくれ」というオーナーが居ないとも限りません)
本当はオーナーに伝えたいメッセージなのですが、我慢しています(笑)
次回は、予算を立てるのに必要な項目と、その説明をします。
「オーナーに予算なんて提案しないよ」という方は、次回は読み飛ばしてください。