「ネット集客」について話したいと思います。

「他社に負けない物件データ」をネット上に掲載できているとして、
次に大事なのは、ユーザーに「見てもらう」ことです。

お金を払ってポータルサイトを使う理由は、
ズバリ、見てもらえる可能性が高いからですね。
丁度、買物客が多く集まる通りに、
商品を並べさせてもらうのと似ています。

そのためにポータルサイトには、
別料金を払えば 目に付きやすい場所に物件を表示させる
オプションが用意されていたりします。

自社サイトの場合は、
自力で、サイトへの訪問者を獲得しなければなりません。

必要な手段として、SEO対策や、
PPC広告（ヤフーリスティング広告など）があります。
機会があれば、この二つについて触れたいと思うのですが、
どちらにしてもコスト感覚が大切です。

ひとつの反響に対して費用がいくら掛けられるか、
「反響単価」の目標を明確にして、
訪問者獲得方法を採用するようにしましょう。

特にSEO対策の場合、
「○○駅　賃貸」などのキーワードで上位表示させることが目的になってしまう場合が、
しばしばあります。

これではSEO対策業者の思うつぼです。
そのキーワードで上位表示されたとき、訪問者がどれだけ獲得できるか。
それは予算目標に合うか、で判断してください。

必要な訪問者が獲得できたとして、そのあと、
トップページ　→　物件検索ページ　→　物件一覧ページ　→　物件詳細ページ
というスムーズな流れを期待します。

その目的に沿って、
ホームページのレイアウトや検索システムが作られていると思います。

その流れが期待通りになっているかどうか、
自社サイトのアクセス解析で知ることができます。

現在、アクセス解析が出来ていないのでしたら、
アクセス解析ツールを設置してください。

「物件詳細ページ」へのアクセス数が、
物件を「見られた数＝表示回数」です。

さて、前回話した３つの要素（スピード、質、量）の中の「質」は、
自己満足に陥りやすい面があります。

自分たちは 質が高い＝物件の利点を表現できている
と思っていても、ユーザーの見かたは違うかもしれません。

質が高いかどうかは、
「見られた数＝表示回数」と「反響数」の比較で測ることができます。

自社サイトの表示回数は、アクセス解析ツール等で知ることができます。

ポータルサイトのホームズの場合、
「ホームズマネジャー」という会員ページで、
物件ごとの表示回数（詳細ページが開かれた数）を見ることができます。

その数と、そこから反響に至った数を比べてみてください。
その率が高いほど、反響率の高い、
つまり「利点を表現できている」と予想することができます。
※もちろん、物件本来の魅力に左右される部分も多いですが。

反響率が極端に低い、あるいはゼロのとき、
たとえば、100回も表示されているのに、
問い合わせが1件とかゼロのとき、
物件データの質（写真、間取図、コメント等）を
見直さなければなりません。
あるいは、物件本来の魅力度（賃料、条件、間取り、
設備等）を見直す必要もあるかもしれません。
多くのユーザーが詳細ページを見たのに問い合わせないなら、
掲載していても無駄に近いからです。

もうひとつ、
「表示回数が低い、あるいはゼロ」の物件も考慮しなければなりません。
（こちらの方が問題です。見てもらえていないのですから。）

その理由を考えて対策する必要があります。

・賃料が高すぎるなど、バランスが崩れていないか
・「こだわり条件」のチェック漏れがないか
・「ＤＫ」と「Ｋ」の区分が適切か
・間取図や外観写真がよく出来ているか
・賃料設定を考慮しているか（例えば、6万円と5.9万円の違い）
・そもそも一覧に表示されているか、あるいは順位はどうか

このように物件ごとに、「表示回数」と「反響戸数」を把握し、
結果が思わしくない時は原因に仮説を立てて、
対策を打つ必要があるのです。

インターネット集客というの、
チラシや雑誌と比べて、やることが多くて細かいですね。
でも、チラシや雑誌において「見られた数」を把握することは困難ですから、
これがインターネットの特色であるわけです。
この特色を理解して、上手に活用できたものが、
ネットからの集客競争に勝ち残ることができるのですね。

繁忙期なら、このような面倒なことをしなくても、
通常時よりは集客がとれるかもしりません。
接客に忙しく、ネットに手間をかける時間もないかもしれません。

しかし、部屋探しをする大多数のユーザーの動きが
「ネット中心」であることに変わりはありません。
多くの人が「部屋探し」をする今こそ、
「ネット集客」に力を注ぐべきではないでしょうか。