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少額訴訟制度が定着。
訴訟額30万円以下の金銭支払い請求について、1回だけの審理で裁判することができる「少額訴訟制度」がスタートし3年半が経過した。施行以来、敷金関係、家賃返還請求など住宅・不動産に関するトラブルを中心に全国で利用者数を伸ばしている。
少額訴訟は、98年に全面改正された新民事訴訟法のいわば「目玉」。比較的少額な事件を「簡易」「迅速」に解決するという簡易裁判所本来の役割を十分生かすことを目的に創設された。通常の裁判に比べて柔軟な運用が可能。法廷は基本的に裁判官、原告、被告、裁判所書記官、司法委員が円卓を囲んで審議が進められる。
最高裁の統計などによると、少額訴訟事件の新受件数は1年目の98年に全国で8348件、99年には1万件を突破。このうち、東京簡易裁判所の少額訴訟事件の新受件数は、98年1472件、99年1964件、00年1711件と安定している。
件数の多い事件としては、地域差はあるものの、敷金返還、賃料・管理費が上位を占めている。
総額30万円の敷金返還請求事件をめぐって少額訴訟を利用した東京都の会社員男性(46)は、「これまで裁判所といえは敷居が高いというイメージがあったが、思ったより気楽に利用できた。1回で決着がつくのは、仕事を持つ身として有り難い」と話す。
少額裁判制度の導入で判決は迅速化した半面、執行手続きについてはこれまでとほぼ同様であることから、債権回収に長い時間がかかってしまうケースも指摘されている。
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エイブルが行った賃貸住宅の「二重貸し」。
怪談の季節を迎えるが、部屋に帰ると見覚えのない荷物が置いてあったり、自分以外の生活感が漂ったりしていたら・・・・。もし、自室の合い鍵を持つ全くの他人がいるとしたら、怖い話である。
今年4月上旬、不動産賃貸・仲介企業「エイブル」(東京都港区)が扱う賃貸アパートで二重契約という奇妙な事件が発覚した。
問題となったアパート「Sビル」は、東武東上線・川越市駅から徒歩10分ほど。8戸が入居できる。事件は4楷の41号室で起きた。
この部屋を先に借りたのは細田造園(東京都東久留米市)という造園業者で、平成12年11月29日から2年間の賃貸契約を結んでいた。そこへ個人のK氏が、今年2月25日から2年間の契約をしたのである。つまり二重契約がここで発生していたというわけだ。だが、ここで一つの疑問が浮かぶ。この二重契約に最初に気付いたのは細田造園側だが、その時期は、K氏が入居して1カ月以上も経過してのこと。なぜそんなに時間がかかったのか。
細田造園関係者によれば、「この部屋は、営業所、作業員の宿舎として借りたもの。ただ、1月から3月は、造園の仕事はなく、使用していなかった」という。そうした事情から、その時点では、部屋には荷物らしいものはほとんど置かれておらず、通電もしていなかった。借りてはいるものの空部屋と同然だったのである。ただし、部屋のドアと、l階の郵便受けには、「有限会社細田造園川感営業所」のプレートを張っていた。
そして4月3日夕方、同社の役員が、その川感営業所を訪れた。ところが、ドアに張ってある会社のプレートの上に、全く知らないK氏のプレートが貼られていることを発見した。役員は、外から41号室を観察すると、青色のカーテンが窓に掛かっていたという。その役員は、会社の誰かが住んでいる可能性もあると思い、会社に確認したが、該当する人間はいなかったという。
翌4日午前中に、同役員は、再びアパートを訪れ、シャワー室の窓からシャンプー容器のような物が見えて、確かに何者かが住んでいる実感を覚えたという。
そして5日、同社の役員・従業員ら3名は埼玉県警川越警察署を訪れ、状祝を説明。県警で事件性が高いと認められたことから、刑事8名と共に同室を訪れた。「不法入国者や逃亡犯の隠れ家になっているのではないかと非常に恐怖を感じた」(細田造園役員) そして「細田造園川越営業所への不法侵入の疑い」で、内部に踏み込むと、誰もいないものの、ベッド、洋服、その他の荷物があり、誰かが生活している様子がうかがえた。そこで刑事が張り込み、侵入者を待つことなった。
「調書を作成している間に、刑事さんがエイブル川越店に電話で問い合わせたが、はっきりした返答がなかった。再三電話して、ようやく入力ミスによる手違いがあったことを認めた」(細田造園関係者)という。
それから細田造園役員らは、刑事と共に、エイブル川越店に出向くが、「店長は不在で連絡が取れず、賃貸契約書の確認を拒まれた。そこで大家に確認を取ると、細田造園には41号室を、K氏には42号室を貸していることになっていたことが判明した」(同社役員)のである。
一方のK氏はといえば、そうした事件があったことすら知らなかった。
「最初にエイブルの社員と部屋(41号室)を見に行ったときに、トイレなどの水が出なかったので、直しておくようお願いした。その(エイブルの)社員は、部屋のドアに付いた細田造園のプレートを見ても何の反応も示さなかった。恐らくそういう(二重契約の)意識や認識はなかったのではないか。だから私も(前の人がプレートを)剥がし忘れたのだなと思い、気にも留めず、その上に私のプレートを張った。だが、入居してみると、いっこうにトイレの水が出ない。(エイブルの社員を)呼びつけて何度か文句も言った。それでも対応が悪く、エイブルに別の物件に替えてもらった。部屋を出る間際に二重契約のことを知らされたが、具体的な内容はほとんど聞いていない。(社員は)ダブったというようなことを口にしていた。それについての謝罪はなかったが・・・・」(K氏)
エイブル側は、K氏が水の不具合による部屋替えを強く要請していたことに乗じてか、二重契約については詳しく説明していない。
事が明らかになってから、エイブル川越店の責任者はアポイントも取らず、夜11時すぎに細田造園を突然訪ね、謝罪を申し入れた。だが、細田側はこれを拒否し、ついには「二重貸しで鉢合わせでもすれば、傷害事件に発展してもおかしくなかった。にもかかわらず、事後の対応もずさん。部屋の使用ができなかったこと、プライバシー侵害、会社の信用喪失、郵便物の所在不明、印刷物等の経費などを考え合わせて120万円の損害賠償を請求し、提訴した」(細田造園関係者)
こうした妙なことが起きた経緯について、エイブルの代理人弁護士は、「二重契約は初めての案件だが、原因は単なる入力ミス。それを認めて謝罪もしている。どんな会社でもその程度のミスはあり、二重契約で使用できなかった期間(約1.5カ月分)の家賃など39000円を支払いたいと言っている。120万円の損害培償は高過ぎる」と答える。
また、「細田さん側は営業所とおっしゃいますが、何の機能も果たしていないのでは」ともいう。チェック機能が全く働かなかった経緯については、問題にしていない模様で、単なる入力ミスのみを強調していた。賠償額の多寡については裁判所に判断してもらうほかない。
エイブル川越店の責任者から細田造園宛てに郵送された手紙によれば、昨年暮れに大家から42号室が空室になったと連絡があり、同社社員は41号室と聞き間違えた。また本来、大家から預かっていた41号室の鍵2本を入居者に渡さなければいけないのに、エイブルのミスでウチに1本しかさないままで、同社にあった残りの1本でK氏を案内した。さらにK氏と契約後、もしウチが解約したとすれば、同社に送られていなければならない解約通知書(41号室)については大家にだけ通知されたと勝手に解釈、コンピュータ担当者がウチを退去済みと入力した。入居中の部屋に荷物等もなく、電気等名義登録がされていなかったことから間違いに気付かなかった、とある」(細田造園関係者)
この当たり前の作業すらなぜできなかったのであろうか。
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どうなる?4月からの新法律。
平成13年4月1日から<消費者契約法>という新しい法律が施行されました。
この法律は、「事業者」とされる家主と、「消費者」とされる借家人間の借家契約にも適用されます(同法二条)。
この法律が作られた目的は、事業者と消費者との、情報の質と量、交渉力の格差などから、契約の締結に当たり、@消費者が誤認とか困惑した場合、契約の申込、承諾を取り消したり、Aまた事業者が負うべき損害賠償責任を免除したり、消費者を不当に害するような契約条項の全部または一部を無効とするものです。
そしてこの法律は、平成13年4月1日以降に締結された借家契約にも適用されますから、これから新たに借家契約を取り交わそうとする場合、事業者とされる家主に、いろいろの面で利害が生じます。ぜひ勉強しておかなければならない法律といえるでしょう。
そこで以下、とくに家主として承知しておいてほしいといった面から、この法律を具体的に解読してみましょう。
a借家契約の申込、承諾の取り消しに関して。
イ、家主・仲介業者が、その借家契約の中の重要な事柄について、借家人にウソをつき、借家人がそのウソを真実と思い、借家契約の申込をしたようなときは、借家人はこの申込みを取り消せます(同法四条一項一考)。
例えば、「防音完備」というので借家契約の申込をしたところ、隣室の音が筒抜けだった場合、借家人は申込を取り消せます。
また、「南向きで日当たり良好!」というので借家契約を承諾したところ、隣接建物の蔭になり、日当たりなどほとんどなかったとかの場合も、借家人は承諾を取り消せます。
要は、借家契約に当たって、家主・仲介業者が借家人に対し、貸室の重要な状況にウソを告げて借家人を誤信させ、借家契約を締結させたような場合、借家人は、この契約の申込みを取り消して、契約をキャンセルできるということです。
ロ、家主・仲介業者が、借家契約の締結の勧誘に当たり、契約の重要な事柄について借家人の利益となる内容を告げ、反対に、その事柄について不利益となる事実を故意に告げなかったため、借家人がそんな不利益がないと思い、その結果、契約の申込みをしたときは、借家人はその申込みを取り消せます(同法四条二項)。
例えば、家主・仲介業者が、借家契約を借家人にすすめるに当たり、「今すぐ契約すればコレコレの得がありますよ」と告げ、その代わり同時にコレコレの不利益もあることを隠し、そのため借家人がそんな不利益などないと誤認して、借家契約の申込みをしたようなときは、借家人はその申込みを取り消せます。
以上が、消費者契約法が規定している、借家契約に関して、借家人が契約の申込、承諾を取り消せる場合ですが、これに関して、なお以下の点を注意してください。
A借家契約の場合、入居者の募集、そしてその入居者との借家契約の締結を、仲介不動産業者に任せている家主がほとんどだと思われます。そんな場合、仲介不動産業者が不勉強だったり、または商売熱心のあまり、無理して借家契約をまとめようとすると、消費者契約法にふれ、後で借家人から契約申込の取り消し、承諾の取り消しを迫られることになります。というのは、仲介不動産業者が借家契約の締結に当たるときも、家主が自ら行う場合と同様に、消費者契約法が適用されるからです(同法五条)。
B借家人が持つ消費者契約法上の取り消し権は、追認(取り消しできる行
為を有効なものとして認める行為)ができる時から六ヶ月間行使されないと時効で消滅します。また借家契約締結の日から五年間たったときも同様です(消責者契約法十条一項)。
b借家契約条項の無効
借家契約の中に、以下のような条項を取り決めても、消費者契約法により無効とされます(同法八条)。
@家主の契約不履行のため借家人に生じた損害を賠償する責任の全部または一部を免除する条項(例えば、家主が貸室の修繕義務を怠ったため、借家人の被った損害の賠償責任を家主が負わないとするような条項など)。
A家主が債務の履行に際して行った不法行為により借家人に生じた損害を賠償する責任の全部または一部を免除する条項(例えば、家主が賃貸建物を修繕中に、誤って借家人の家財を損傷した事による損害賠償責任を、家主が負わないとするような条項など)
B貸室に隠れた瑕疵があるとき、その瑕疵により借家人に生じた損害を賠償する家主の責任の全部を免除する条項(例えば、貸室の配電設備に不完全な個所があり、そのため漏電して借家人が損害を蒙った場合の家主の損害賠償責任を全部免除する旨の条項など)。
C借家契約の解除に伴う損害賠償額を予定し、または違約金を定める条項で、世間の他の同種の場合と比較して高額に過ぎる場合、その高額部分の条項(消費者契約法九条一号)。
D借家人が支払うべき金銭債務の履行遅延による損害金の条項への制限(同法九条二号)。
E借家人の権利を制限し、義務を加重する条項で、信義誠実の原則に反し、借家人の利益を一方的に害するもの(同法十条)。
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大家さんの無断侵入「立派な犯罪行為」
賃貸マンションやアパートを経営する人には、不動産について全くのシロウトという人が多い。だからこそ専門家として、不動産業者の存在が重要になるわけだ。
ところが、大家さんにとっても賃借人にとっても頼りになるべき業者が、どうも頼もしい存在とは思えないような話が聞こえてくる。
つい先日も、賃貸生活を始めて間もないという女性から、愚痴(ぐち)を聞かされた。
「ウチの大家さん、ありがた迷惑なんです」
彼女が大家さんの行動にギョッとしたのは、引っ越して間もなくの、一昨年の暮れのことだった。夜遅く帰ってドアを開けたところ、廊下からの薄明かりに照らされ、見慣れないものが玄関にでんと置いてあったのだ。
驚いて、急いで電気をつけてみると、それは荷物だった。送り主は実家の母親。娘のことを気遣い、リンゴを箱ごと送ってきてくれたのだ。
鍵がかかった部屋の中に、いったいだれが運び込んだのだろう・・。
考えるまでもなく、それは大家さんの仕業(しわざ)だつた。
「昼間留守がちの私のために、大家さんが親切でそうしてくれたのは分かるんですけど」そう言って彼女は顔を曇らせた。
悩んだ末に彼女は、大家さんとの問に入って何かと相談に乗ってくれる不動産業者に相談した。ことの経緯を報告したところ、業者は明るい顔で言ったという。
「まあ、柏手も親切でやってるわけだから、大目に見てあげて下さいよ。一応私のほうから、やんわりと注意しておきますけど」
けれども、それからまた半年たっても、状況は全く変わらなかった。実家から荷物が届くたびに、それは玄関の中までしっかりと運ばれてくるのだ。 以来、彼女はお盆と暮れの季節になると、憂うつになるという。
話を聞いて疑問に思ったのは、間に入って話を聞いた業者が、果たしてどれだけコトの重大さを認識しているのだろうか、ということだ。
どうも彼女の報告を聞いている限り、店子からの苦情を軽く受け流していたその業者は、大家さんにはろくに注意もしていないようである。ということは恐らく、大家さんが親切心でしているその行為が、実は立派な「犯罪行為」だとは業者自身、全く認識していないだろう、と思うのだ。
大家さんが店子にすでに賃借済みの部屋の中に勝手に入る行為は、刑法130条「住居侵入罪」という犯罪になる。たとえドアを開けて中をのぞいただけでも、軽犯罪法に該当する犯罪行為になる。たとえ大家であっても、いったん貸した部屋の中に借りている人の許可なく勝手に入ったりのぞいたりすることはできないのだ。
ところが大家さんの中には、そんな理屈など関係なく、そして法律のことなど全く知らない人が多い。貸した部屋も自分の家の一部という感覚で、中の様子が気になってずかずかと入り込んでくるような大家さんの話は、ほかからも何度か耳にしたことがある。
やはり、大家さんはシロワトの方が多いのだ。だからこそ、間に入るプロの業者の力が試される。
果たして、このようなとても身近な行為一つとっても、不動産業の専門家として、法律の知識をきちんと持って大家さんと接している業者がどれだけいるだろうか。
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貸し主の契約解除権
「私が今まで大家さんに言ってきたことは、結局は誤解ということになってしまうわけでして…」
賃貸物件の仲介と管理を専門に扱う彼は、自分が物件のオーナーに話し続けてきたことが、実はどうやらまったく法的には裏付けのないことだったと、つい最近わかってぞっとしたというのだ。
彼が管理する物件では、賃貸借契約書に常に次のような条文を掲げていた。『家賃の支払いが一回でも遅れた場合には、賃貸人はただちに契約を解除できる』
悪質な店子に滞納されて大家が困らないようにという配慮から、ずいぶん前から、それは社が外部に発行する契約書のお決まりの書式になっていたわけだ。
おそらく、ほかの大半の社員がそうであるように、彼も何も疑うことなく、その書式を使用していた。そしてもちろん、彼から契約書を渡された大家も、賃貸人として契約を解除できる権利について、契約書の文面どおりに受け取っていただろうというのだ。
これだけきびしい条文があれは、万が一滞納が起きても安心。いざという時に効力を発揮してくれる頼りがいのある契約書。
どの大家も、そう思っていたわけだ。
「それが一度、ふと不安になって判例とかを調べてみたんですよ、そしたら…」彼が今まで自分の中では常識と思い込んで、ずっと疑いもしなかったことに関して、不意に疑問を感じたのは、ある大家からの質問だったという。
彼はつい最近、管理契約を結んだある大家から、この点について改めて確認されたのだ。本当に、一回の滞納で契約解除なんてできるんですか、と。
口では軽く、契約書に書いてあるんですから大丈夫ですよ、と言いつつ、彼は言い知れない不安を感じていた。
そこで専門書を開きつつ、一度徹底的に自分で調べてみることにしたのだ。すると、担当する各大家に対して、いかに自分がそれまでうかつな発言を繰り返してきたか、初めて理解できたのだった。
判例によると、店子の債務不履行を理由に大家が契約を解除できる権利を行使できるのは、次のような条件がそろったとき、ということになるらしい。
1、賃借人に軽微とは言えない義務違反があること。
2、賃貸人が賃借人に対して相当な期間を定めて債務の履行を催告したこと。
3、賃貸人の催告にもかかわらず、賃借人がその期間内に債務を履行しないこと。
この三つの条件がそろって初めて、大家と店子の信頼関係は破壊されたと判断され、契約の解除は認められるというのだ。
したがって、この条件を賃料不払いに当てはめて考えてみたところ、滞納による解除が現実にはそう簡単なものではないと、彼は初めてしみじみ実感できたのだった。
つまり、店子に軽微とは言えない家賃の滞納があり、大家が相当な期間を定めて滞納家賃の支払いを催告したにもかかわらず、その期間内に店子の家賃支払いがない場合に、裁判所が認めれば、ようやく賃貸借契約は解除できることになるわけだ。「で、問題は、まず最初の軽微とは言えない家賃の滞納って、いったいどれくらいになるかってことなんですけど、これが判例によってさまざまなんですよね」
彼が専門書を引っ張り出して調べてみたところ、判例では、軽微とは言えない家賃の滞納があると認められるその基準が、裁判によってけっこうバラバラなのだ。
ある裁判では、二カ月分の不払いで解除を認めている。(松山地裁・昭和31年9月18日)ところがその一方で、七カ月分の不払いでも解除を認めなかった判例もあった。(神戸地裁・昭和30年1月26日)
それだけ裁判所の判断にバラツキが生じる理由は、「軽微かどうか」を判断するに当たって、裁判所は単に不払いの回数だけで判断しているわけではないから、ということらしい。
不払いに至った理由や、賃借人が一部金でも支払いをしたことがあるかどうかといった、不払いの背景に隠された様々な事情を考慮したうえで、裁判所は最終的な判断を下しているのだ。
「二カ月の滞納っていうのが、どうやら法律の専門家の間では、解除可否の一つの目安にはなるみたいなんですよね。けれどもわが社のように、一回滞納で即解除っていうのは、いくら契約書の条文にそうあったとしても、裁判所が結局、大家と店子の信頼関係が破壊されているというような特別な事情でも認めてくれない限り、条文が即有効とはならないだろうというわけです」
彼が裁判の記録を調べるうちに、もう一つ意外に思ったことがあるという。それは、裁判所が契約解除に相当するかどうかを判断するための一つの条件、「相当な期間を定めて催告したにもかかわらず」の「相当な期間」とはどの程度を指すのか、についてだった。
「これが思っていたよりも、店子に対して厳しいんですよね」
彼のなかには、常に大家の立揚に立って考え、大家の有利なように物事を判断する習癖が深く染み込んでいる。そんな彼でさえ、「相当な」というからには、いくら短くてもせめて一カ月くらいの猶予期間がないことには、裁判所はそれを、相当な期間を与えて催告したとは認めてくれないだろうと考えていた。
ところが判例では驚いたことに、この期間をたった三日間でよしとしたものもあったのだ。(最高裁・昭和32年3月28日)
したがって、多少余裕を持たせて、一週間程度の猶予期間を定めて、その間に店子が滞納した家賃を入れてこない場合には、契約は解除できるとなるわけだ。
「今までわが社の物件では幸運にも、裁判まで行くような揉(も)め事とかがなかったからよかったわけで、もし何か大きなトラブルが起きて、そのときに、契約書にこう書いてあるから安心ですよ、なんて説明していたら、逆にこっちが訴えられるところでした」 こういう彼も、社の書式である契約書の条文をここで改めて変更するつもりはないらしい。けれども最近は、大家に対してその書式を渡すときに、必ず一言、次のように言葉を添えているそうだ。
「これはあくまでも、店子に対して、滞納については大家として厳しい姿勢を取るぞと、プレッシャーを与えるための条文であって、いざというときにこのまますんなり契約が解除できるわけではありませんから」
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家賃滞納相談が増加
日管協は11月に実施した「賃貸住宅なんでもホットライン」に寄せられた相談事例の集計結果を発表した。それによると、最も多かった相談内容は「原状回復」で全体の23.22%を占めた。次いで「家賃滞納」(14.1%)、「入居中の修繕」(11.9%)の順となっている。最も多かった原状回復に関しては、入居者からの相談が圧倒的で、なかでも多いのは「費用負担の範囲・請求額が不満」というものだった。
家賃滞納では反対に家主からの相談が圧倒的に多い。興味深いのは「滞納分を払ってほしい」という相談よりも「(支払いは諦めるから)退去してほしい」という相談のほうが2倍近く多いという点だ。入居中の修繕に関しては入居者と家主のどちらが負担するのかといった相談が多い。今回の相談傾向を昨年と比較した場合の特徴は、まず「家賃増減」にかかわる相談が昨年の8.6%から2.6%へと大幅に減少したこと。家賃相場の下げ止まり傾向から、入居者から家賃減額を求める相談がなくなりつつあることが影響
しているとみられる。反対に、家賃滞納案件は昨年の8.0%から14.1%と大幅に増加している。滞納に困っている家主のほとんどが自主管理で、長期間滞納している事例が多いという。家賃を滞納したまま入居者が行方不明になってしまい、部屋の残置物処理に困っているケースも多い。
報告書は、今後増加が見込まれるものとして@管理会社のサービス内容や質に関するものA原状回復について退去時の負担基準をあらかじめ知っておきたいB高齢者の入居相談−などを挙げている。
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エイブル、手数料収受方法変更
賃貸仲介業者のエイブルは営業方針を大きく軌道修正する。年明けの1月4日から居住用住宅の賃貸仲介手数料の収受方法を変更することを明らかにした。賃貸仲介手数料受取システムの変更については、これまで貸主より収受できなかった場合は借主の承諾を得て「借主より家賃の1カ月分」を収受していたものを、来年から宅建業法の原則に則り「貸借両者から家賃の0.5カ月分ずつ」収受するというもの。
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秋の賃貸市場を振り返る
“秋の賃貸シーズン”と、賃貸住宅市場が活性化していた時代が懐かしく思えるほど、その面影が全く薄れた。このまま″秋の賃貸シーズン″は死語になるのか−。
今年も昨年同様に盛り上がりに欠けた″秋の賃貸シーズン″で終わったようだ。
小田急・京王沿線のT社は「もはや秋の賃貸シーズンはなくなった。季節感がなく、かえって7月や11月後半から12月の方が良くなっている」という。
11月後半から12月が良くなった理由は、春の賃貸シーズンに先駆け、いち早く良い物件を探し求めようとするユーザー動向の変化で同社だけにみられるものではない。このユーザー動向をみても賃貸シーズンは″春″のみに与えられる呼称になってきたようだ。賃貸住宅市場が低迷する理由はいろいろと考えられるが、最大の要因は“ユーザーが動かなくなったこと”が上げられる。
例えば、学生をはじめ単身の若い入居者は、特別の理由がなくても夏を境に「もっと良いアパートに」と住居を変える傾向があった。今は、より良いところへ転居するというより、半年居て、家賃が大変だからと(2時間以上かけても)親元から通う、という大学生が出てきている。また新入社員になっても、学生時代に住んでいたアパートから移らないで我慢するケースも少なくないという。ファミリーや夫婦2人世帯の動きは、分譲マンションの価格低下、低金利および大幅な住宅ローン減税で住宅購入に流れている。
一方で、「確かに、昨秋に比べて来店数が減り、一契約あたりの単価が落ちているが、インターネット対応の賃貸住宅を深し求めているユーザーが目立つようになった」という感想が目立つ。「人気のない古いアパートの3分の1に光ケーブルの高速ネットを回線したら入居率が高まった。また都内からペット可物件を探しくるユーザーもいる」と続ける。千葉、埼玉でもこの傾向が聞かれる。こうした物件深しに変化がみられるようになったのも最近の特徴だ。
この「IT対応」とは、地域が限定されるがケーブルテレビのプロバイダー事業によるものと、NTTのISDN回線の装備の2つのケースが考えられる。人気のない物件にこの設備投資によって入居率が高まるならば、見逃す手はなさそうだ。
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カップルの七割以上がマンション2DKを希望
賃貸住宅情報誌『マイルーム』が七月に行った、首都圏の結婚予定カップルの「新居に関する待望」アンケートの結果、希望の建物は(複数回答)、マンションが73.9%、アパートが61.4%で、マンションの人気の高さを示した。
間取りについては(複数回答)、2DKが74.4%、2LDKが61.6%、そのほかの間取りは10%台かそれ以下で、2DKと2LDKに集中している。
希望家賃は管理費込みで9万円台が26.2%、次いで7万円台21.4%、8万円台が16.6%で、10万円未満が7割以上を占めている。
駐車場は約七割が必要と回答している。築後年数は5年超10年以内が58.4%、5年以内が19.4%、新築限定は2.8%と少数派。
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東京圏の家賃、下落率やや拡大
東京圏のマンション家賃は下落幅がわずかながらも拡大してきていることが住宅新報社の四大都市圏(東京、名古屋、大阪、福岡)家賃調査で明らかになった。同調査は年2回(2月と8月)実施している。それによると、前回の2月調査のときには下落率が限りなくゼロ%に近づき、横ばいが定着した感があったが、今回はわずかながらも拡大傾向を見せた。分譲マンション市場などへの顧客流出が一殴と響いているようだ。その他の都市圏では依然として横ばい傾向を強めている。
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手数料を折半徴収
賃貸仲介・管理会社のエイブルは、10月中をめどに賃貸仲介手数料のあり方を全国的に新方式に改める。
業界慣習によって、借り主からのみ受け取っていた家賃1カ月分の手数料を、宅地建物取引業法に基づく大臣告示にしたがって借り主から0.5カ月、家主から0.5カ月の折半負担とするもの。
基本的な見直しの内容は、家主の了解を取り付けたうえで、家主にも仲介手数料として0.5カ月分を負担してもらい、借り主が支払う手数料を0.5カ月分に軽減しようというもの。
家主にとっては、これまで支払う慣習がなかった仲介手数料分の負担が増すことになる。現在のところ、「少なくとも半数程度の家主は理解してくれる」(同社)としている。
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高齢者受け入れ、賃貸市場を整備
官民で、高齢者を受け入れやすい賃貸住宅市場の整備が進んでいる。建設省は、「大家不安解消システム」を構築し、家賃保証制度の整備、成年後見制度の活用、在宅介護センターなどとの連携に基づくサービス提供などにより、保証人がいない高齢者でも民間の賃貸住宅に入居できるようにする。
建設相は、業界の動きを後押しし、とくに家賃保証制度については来年度予算の概算要求に国がリスク負担をする目的で基金の造成を盛り込んだ。急速に進む高齢化に対し、国と業界が一体となって対応していくこととなる。
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賃貸入居者に保険提供 〜センチュリー21〜
センチュリー21・ジャパン(田辺久社長)は9月から加盟店支援策として、加盟店が仲介した賃貸住宅の入居者を対象に家財保障や借家人賠償責任保障などの保険と、日常生活で生じるトラブルに対応した各種の支援サービスを導入する。同システムが入居者に提供するサービスは、家財保障、借家人賠償責任保障、個人賠償責任保障、修理費用保障の各種保険と、水回りトラブルやカギの紛失などの生活支援サービスと、引っ越し、インテリア購入、ホテルなどの各種優待サービスで構成する。これにより加盟店の集客と客付力の強化をはかる。
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都市公団スケルトン住宅を本格導入
都市基盤整備公団が「公団型スケルトン住宅」の研究に力を入れ始めた。 従来の集合住宅は、間取りの変更や設備交換をしたいと思っても、配管や配線の位置が共用部分と一体化しているため制約が多く、一定年数が経過すると老巧化建物として取り壊すしかなかった。これに対し、スケルトン住宅は間取りなどの変化に合わせ、配管や配線を自由に移動できるのが特徴。これによって住む人のライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、間取りや内装を自由に変更することが出来る。同公団は汐留や三軒茶屋地区で、この方式を導入した都心型賃貸住宅棟をすでに着工している。
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空室率3%に改善 〜都心のオフィス〜
都心5区のオフィスビルの平均空室率が3%台まで回復してきた。三鬼商事がまとめた7月末時点の都心5区の最新オフィス市況によりわかったもので、空室率は前月比0.23ポイント下げて3.97%まで改善した。大型新築ビルの募集状況は依然好調で、空室率はわずか0.50%と、前年同月比で5.32ポイントも大幅に改善した。
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路線価、全国平均8年連続下落
国税庁は8月4日、2000年分の相続税課税基準となる路線価を発表した。それによると、全国約41万地点の標準地にかかわる路線価の平均(1u当たり)は14万6千円で前年比7.0%下落している。全国平均はこれで8年連続の下落となる。東京圏の下落率は7.2%、全国で最も下落率が大きかったのは千葉県で11.9%。
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定期借家権活用は3%
定期借家権を活用した物件は全体の3%−。リクルートが同社発行「週刊住宅情報 賃貸版」(6月度)の登録物件データから定期借家物件の現状を分析した。
@首都圏における定期借家権付き物件は約2300件で、登録率は全体の3.1%、A物件種別では、一戸建てが26.5%で登録比率が高く、アパートは0.2%と少ない、B間取り別ではファミリータイプが半数以上を占め、特にマンションでは4DKタイプが60.8%、一戸建では4LDK以上が55.1%と高い、C定期借家物件の契約期間は「3年以上」の物件が全体の6割以上を占める、D首都圏での定期借家物件の平均賃料は普通借家物件より約15%から30%程度低いなどが、特徴となっている。
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賃貸の「自動検索サービス」開始
アットホームは7月21日より、インターネットサイト「アットホーム不動産情報サイト」で居住用賃貸物件の「自動検索サービス」を始めた。
一般ユーザーが物件検索時に希望条件に合う物件がなかったり、より多くの物件の中から選択したい場合、希望条件とメールアドレスを登録しておけば、毎日自動的に検索され、希望にあった物件が登録されると、メールで通知される仕組み。
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首都圏の賃貸市場上がり坂
首都圏の賃貸市場が回復傾向にあるという。
アットホーム(東京都大田区)の調査によると、居住用賃貸物件成約数は前年同月と比較すると6.2%増の1万712件で5月としては過去最高の数字であることが分かった。
特に神奈川県においては去年5月に3376件であったのが今年度5月に入り、3753件に増加、前年同月比で11.2%も増えた。同様に埼玉県では799件から896件と12.1%と2ケタの伸びをみせている。
成約賃料についてみてみるとマンションに関して平成11年5月と平成12年5月を比較した場合、1uあたりの成約賃料は千葉県における1760円から1860円への5.1%増をトップに埼玉で1790円から1850円と3.4%プラス、神奈川県で2160円から2170円へ0.5%それぞれ上昇していることがわかった。賃貸市場にも変化の胎動がみられる。
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建て替えによる貸家着工7万戸
建設省が住宅着工統計による再建築状況を発表した。
これによると99年度再建築のために除去された戸数は19万1197戸で、その跡地に再建築された戸数は22万8845戸であり1.25倍の増加となった。
貸家だけでみてみると2.06倍となっており建て替えに伴うアパート数が増加していることがわかった。
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「定期借家権」の利用が伸びず
不動産情報サービスのアットホームはこのはど、3月の首都圏の居住用賃貸登録物件での「定期借家物件」の登録状況を発表した。定期借家の割合が最も高いのは「戸建て住宅」で、賃貸の戸建て全体に占める割合は12.1%と一割を超えた。
とくに東京都では14.7%と、7件に1件が定期借家となっている。「戸建て住宅」で定期借家の割合が高いのは、従来の「リロケーション」物件の契約が一部定期借家に移行したため、とみている。
一方、「マンション」は1.3%、「アパート」は0.4%と、定期借家の割合は低く、全体では1.5%の低率にとどまった。これは「定期借家制度」が施行されて間もないため、家主の間では市場動向を見極めようとする動きが強いためだ。
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首都圏の賃貸住宅成約がマイナス
アットホーム調べによると、首都圏4月期における賃貸住宅成約数は13,555件となり、前年同月比で2.9%減少した。成約数は9月から3月までは前年比で9月の15.8%増を筆頭に8ヶ月連続でプラスだったのが、4月はマイナスとなった。
成約賃料を一戸当たりでみると、賃貸マンションが前年同月比0.7%下落の99,100円、アパートが同0.6%下落の66,500円と、マンション・アパートともに下落となった。これを1都3県別にみると、マンションが神奈川、埼玉で下落したのに対し、東京、千葉では0.5%、0.6%ずつ上昇。アパートは埼玉、千葉で上昇し、東京、神奈川で下落。
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「特優賃」の実績が減少傾向。
93年に建設省が全国の自治体に呼びかけてスタートした「特優賃」制度。当初は着実な拡大をみせていたが、ここ数年は伸び悩みをみせている。転換期を迎えた同制度の現状と、各社の取り組みを探る。
建設省の呼びかけによりスタートした特定優良賃貸住宅供給促進事業も、「持優賃」の名称で全国の賃貸市場へ浸透し、はや7年が経過した。開始後4年は伸び率が年間33〜50%という大幅な拡大をみせたが、その後は落ち着き、今では着工件数、民間指定業者数ともに減少傾向が続いている。
原因はこれまで持優賃を主導してきた国、自治体の「緊縮財政」とみるのが一般的だ。
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借家を改修しやすくするガイドライン
住宅宅地審議会(建設相の諮問機関)は、建設相に示す最終答申で、借家の改修、修繕などのリフォームを借家人が行いやすくするためのガイドライン作りを提言する。
家主の承諾が必要な場合と不要な場合の線引きや費用負担の基準などを明記することにより、高齢化や情報通信化といった社会に対応して借家人が行う改修を促進する狙い。
現行の借家法でも、借家人は、家主の承諾を得れば、借家をリフォームすることが認められているが、一般的には遠慮する場合が多い。
このため同審議会は、借家人による不要な「自粛」を無くすには、借家のリフォームに関するルールの明確化が必要だと判断した。
たとえば、改修の費用については、雨漏り防止など居住の基本的な条件に関わる修繕の費用は「家主に請求できる」、壁紙の模様替えなど借家人の趣味を反映した改修費は「請求できない」といったように、ガイドラインに基準を明確にするよう求める。
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建設省、高齢者に安心できる住居を
建設大臣は定期借家権の導入を機に、建設省と厚生省とで「高齢者居住政策の基本」をまとめた。高齢者が敬遠されない民間賃貸住宅市場の環境整備と、住みやすいバリアフリーの民間賃貸住宅の供給を促進するのが狙い。そのために、家主の不安解消システムの構築や、在宅介護の場としても活用できる公共賃貸住宅ストック形成の推進などが必要、との内容。
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定期借家権、「再契約」手法で議論白熱
定期借家契約をする際、「トラブルがなければ再契約する」ことを明示する“再契約前提派”と、「再契約の可能性について触れない」という“再契約非前提派”によって議論が白熱している。“前提派”の意見としては「入居者の不安をなくすために“トラブルがなければ再契約します”と入れるべき。定期借家契約は自然な契約で、これからはこれが普通契約になる」「借り主は契約期間が過ぎたら出ていかなければならないという不安があるはず。その不安を取り除くためには再契約を前提にした方がいい」「われわれ業者は“消費者保護”ということを常に頭に入れておかなければならない」等々。
“非前提派”の意見は「新法は更新しないことを前提とした法律であり、その立場を考えれば、期間満了すれば一度切ることを前提とすべきで、“再契約します”といった法律をぼやかさない方が普及しやすい」「60年も続いた普通借家契約にマインドコントロールされた賃貸借契約に対して、カルチャーショックを与えるためには、前提にしない方がいい」等々。
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「マイホームがほしい」〜婚約カップルの意識調査〜
首都圏の結婚予定カップル86組を対象に実施した「新居に関する希望」のアンケート結果が発表された。それによると、全体の67%が、将来の住まいについて「持ち家住宅の購入」という“持ち家派”が根強いことが分かった。賃貸での希望する建物は90%以上が「マンション」を選び、間取りは65%が「2LDK」「2DK」を希望した。
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平成12年1月期住宅着工統計発表
建設省が、平成12年2月29日に公表した、1月の住宅着工は、持ち家、貸家、分譲住宅とも増加となり、全体でも大幅増加の傾向が見られた。地域別戸数で見ると、貸家は首都圏が28.1%増、近畿圏が前年同月比14.9%の増加となったものの、中部圏とそのほかの地域で減少となった。
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ネット時代の仲介セールス
“インターネット通販”の波がいよいよ賃貸住宅市場を襲いはじめた。全国の業者の間で、ホームページ経由による成約が月10件、20件を超すケースが急増しており、なかには、月間の全契約数の2割近くをこのルートで獲得する業者も登場しはじめた。
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定期借家、契約期間は「3年」が最多
3月1日にいわゆる「定期借家制度」が導入されて約1ヶ月が経つが、ある不動産業者が定期借家権による賃貸管理を受託した物件31件の概要についてまとめた。
それによると、3月31日現在、定期借家権による受託物件は全体で31件、そのうち20件(65%)が一戸建て住宅だった。その他はマンションとアパート。築年数は10年以内が最も多く20件(65%)、11〜20年が8件(25%)、21年以上が3件(10%)だった。 また、定期借家にする理由としては、「転勤のため」が12件(38%)と最も多く、以下、「将来売却か建替えのため」が7件(22%)、「とりあえず」が4件(13%)、「将来子供世帯と同居するため」が3件(10%)と続く。「少しでも空室を防ぐため賃料を下げる理由として」との回答も1件あった。
賃貸契約の期間としては、「3年」が一番多く13件(42%)、「2年」「4年」「5年」が5件(16%)、「6年」が2件、「7年」が1件だった。その業者では定期借家に関する問い合わせや、賃貸物件の受託も少しずつ増加しているという。
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賃貸物件インターネット検索状況を発表
アットホームがまとめたインターネット・ホームページ『at
home web』への検索状況をみると、首都圏における人気沿線は「山手線」「東急東横線」「東急新玉川・田園都市線」がベスト3、賃料は安めの物件にシフトする傾向をみせている。
間取の指定は、マンションでは「1LDK・2K・2DK」タイプが31%で最も多く、アパートは「1K・1DK」が最多。全般にシングル向け物件の検索がインターネットでは伸びている。
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東京都、エイブル・ミニミニを行政処分
東京都住宅局は3月29日付で、エイブル(港区赤坂1-5-5、春名淳一社長)、ミニミニ(新宿区西新宿2-6-1、河野芳夫社長)の2社を宅地建物取引業法違反で行政処分を行った。処分の内容は「業務の全般停止十日間」。
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1月の賃貸アパート・マンションの成約は好調
不動産情報サービスのアットホームがまとめた1月の首都圏における賃貸物件の市場動向調査によると、成約数は前年同月比2.5%増の9,111件で1月としては初めて9,000件を超えた。地域別にみると東京23区は好調だった前年の反動からか3.2%減ったほか、千葉県も前年同月比11.5%の減少だった。また、東京都下は同13.4%の増加、埼玉県も14.5%増と6ヶ月連続の増加となった。
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大学生の一人暮し、家賃5万円台の1Kが一般的
不動産情報サービスのアットホームは、昨年11月に首都圏の5大学の学生390人を対象に「部屋探しに関するアンケート調査」を実施した。
それによると、現在居住している部屋の間取りでは「1K」タイプが過半数を超えて一番多かった。その次に多かったのは「ワンルーム」で33%を占めた。以下1DKが9.8%、1LDKが3.8%、2Kが1.5%、2DKが0.8%と続いている。また、一人暮しの大学生の平均的な家賃負担額は「5万円台」が最も多く、次いで6万円台となっている。
現在の住まいをどのようにして探したかについて質問したところ、不動産業者を直接訪問した、物件情報誌を見た、大学の生協や学生課の斡旋を受けたなど、やはり定番の回答が多かったが、不動産業者の店頭にある無料の物件検索機やインターネット、FAXサービスなど情報端末機を利用したとする回答も合計で6.9%あった。
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定期借家制度が、1日より施行
3月1日より、定期借家制度(「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」に基づく、借地借家法の一部改正)が施行された。
これは家主との契約により定めた契約期間の満了により、更新されることなく確定的に借家契約が終了(家主と借家人の、双方の合意があれば再契約可能)するというもの。3月1日以降に借家契約を締結する場合、従来型の借家契約か、定期借家契約を選択することになる。新制度は居住用のみならず、事務所の賃貸も対象となる。家主と借家人の契約方法に新たな選択肢が加わることになるが、制度の普及のためにも、家主と借家人の充分な説明・理解が求められる。
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