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入居者が求める「設備」を考える

 満室に近い状態を維持するのに一番の近道は、いまの入居者を大切にすることです。部屋が空かなければ「空室」で悩むことはないわけです。
10年も経つと、新しかった設備も故障が出てきますし、入居者のニーズも変わります。新しい設備の導入を、「空室対策」でなく「満室維持対策」として考えてみましょう。

 いま入居者が求めている住宅設備を「安全」「便利」というキーワードで考えてみます。


○防犯・防災の「安全」設備

いまの入居者が一番興味を持つ設備は「安全」に関するものでしょう。ニュースを見ても凶悪な犯罪が報道されていて、否応なく自分の居住スペースにバリアを張りたいと願うはずです。
 そこで費用対効果を考えた上で、検討可能な「安全設備」を見てみましょう。

「TVドアホン」

部屋にあるTVモニターのついたインターホンから玄関、またはオートロックのあるエントランスに訪れた人を確認できます。ドアを開けずに画面で確認して、会話もできるため、安心で便利です。近隣のライバル賃貸住宅とも差別化が図れるます。


「ドアと鍵の防犯」

 ドアか鍵を破って侵入する方法には次のようなものがあります。


【ピッキング】

ピッキング工具を使って錠シリンダー部分を操作して開錠します。防犯対策品でない鍵ならば、10秒程で開錠することができます。


【サムターン回し】

なんらかの隙間から手や針金、特殊工具等をさし入れ、サムターンを回して開錠します。


【カム送り開錠】

特殊な道具を用いて、錠シリンダーを迂回し、直接錠ケース内部のデットボルトを操作して解錠します。  そのための安全設備としては、 ピッキングに強いディンプルキーやカードキー、指紋認証キーなどがあります。また、補助錠を取り付けて「ワンドア・ツーロック」にすることも効果的です。


「窓の防犯」

泥棒の侵入手口のNO.1が窓からの侵入です。戸建では71%、共同住宅でも25%も侵入されています。普通のガラスであれば、障子を破るようにあっさりと鍵付近のガラスを割られてしまい、早ければ19秒ほどで侵入可能です。  設備としては、防犯フィルム、防犯ガラス、面格子、シャッター、補助鍵などの設置が効果的です。警報機器も様々な種類のものがあります。


「火災警報機」

消防法の改正(平成18年6月施行)によって、全ての住宅に設置が義務化されたのは前述の通りです。 既存建物への設置義務の期日は、地方自治体の条例で定められています。遅くとも平成23年6月1日までには完了しなくてはなりません。


「防犯カメラ」

空き巣、窃盗、盗難、などの事件が発生した場合、映像で証拠を残し犯人の割り出しができます。また、設置していることで犯罪を事前に防ぐ効果があります。 分譲マンションの共用廊下で遊んでいた子供さんが下に落とされた痛ましい事件は記憶に新しいですが、犯人逮捕の決め手になったのは防犯カメラの映像でした。こういった事実が積み重なると、防犯カメラの存在が、犯罪を減らすことに役立つのではないでしょうか。  標準タイプとして、カメラ・ケーブル・タイムラプスビデオ(録画器40日間・960時間録画可)・モニターなどを組み合わせたものが一般的です。 予算的な問題がある場合には、本物とダミーを組み合わせて使用するといいでしょう。


○ニーズに応える「便利設備」

インターネットは生活に欠かせないものになりました。TV電波はアナログからデジタルへ移行します。通販などネット販売の需要も、ますます増加して、留守宅への宅配便も多くなります。そのような変化に対応できる賃貸住宅が、生き残れるのではないでしょうか。


「デジタル放送」

アナログ放送の1から12までのチャンネルで放映される番組で満足している時代ではないようです。この記事を書いている私自身が、上のような番組を見ることは、夜10時台のニュース以外は、ほとんどなくなっています。BS(特にデジタル)の番組か、24時間、映画やスポーツを流しているチャンネルに合わせています。  また、新しいテレビを購入した入居者が、機能としては地上デジタル放送を見ることができるのに、建物のアンテナが対応していないばかりに見られないという、残念な思いをすることが多くなっています。どうせ2011年までには設置しなければならないのですから、ライバルより先に導入して競争力を高めてはいかがでしょう。


「インターネット」

高速インターネットと言えるのは「光ファイバー」です。光ファイバーは現在のインターネット接続技術で提供できる最も高速かつ安定したサービスで、速度は最大で100Mbpsです(と言われてもピンときませんが)。とりあえずネットが繋がる環境から、高速の光が使える環境への移行は、大きなニーズがあります。


「宅配BOX」

本や化粧品、洋服に家電製品と、一度通販やネット販売を利用すると、その便利さにハマります。しかし問題は、留守がちのシングル世帯は商品を受け取ることが難しい、ことです。そのためにコンビニまで届けてもらって、そこまで取りに行ったりしています。これでは不便です。そこで、エントランスに宅配BOXはどうでしょうか。留守中でも宅配物を24時間いつでも受け取ることができます。 特に世帯数の多い物件にはおすすめします。

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