高入居率を図るためのオーナー説得策


  賃貸管理会社が空室を埋めるために、どのようにオーナーを説得しているか、という特集記事を目にしました。オーナー側から読んでみても参考になるのではないでしょうか。その内容をまとめてみました。

賃料の値下げ

 まず、賃料の値下げを説得する際に、広告の反響を他物件と比較できるように用紙にまとめて説明している事例です。同じ広告に掲載しているのにお客からの反響が少ないとき、「賃料が高いのでは・・」と説得します。「反響が多い物件は当然入居が決まりやすくなります。当たり前のことですが、反響が少ないということは、何か物件に魅力がないからです」と担当者は語っています。

当月家賃無料
 賃料を下げるよりもフリーレントの方が提案しやすい、という会社もあります。いったん家賃を下げてしまうと、同じ建物のほかの貸室も下げなければならなくなる可能性があります。また、賃料を下げてしまえば年間の家賃収入も下がることになります。したがって、賃料を下げない空室対策は、長期的な視点に立った提案といえます。当月家賃ゼロと敷金・礼金ゼロを組み合わせて募集をかけるケースもあり、特に単身者向けの物件に効果的のようです。「家賃をあまり下げず、そして退去のときの日割り計算をやめる方向で提案するようにしています」とのことです。

リフォーム提案
空室対策としてのリフォームの有効性はオーナーも認めるところだと思います。しかし、空室が多いところに、さらなる追加投資を求められて快く応じるオーナーは少ないでしょう。そこで、リフォームの提案の際には、資金繰りまで含めたプランを提示できるかどうかが鍵になる、という事例です。空室対策としてのリフォームは、和室を洋室に改装したり、間仕切りを撤去して間取りを変えたり、風呂・トイレ・キッチンなどの設備を入れ換えたり、それぞれ効果が絶大なことは分かっていますが、多額の投資に不安を感じるオーナーは多いことと思います。そこで、リフォームの工事内容とあわせて、15年間の工事費用と賃料収支のシュミレーションを提示されると検討しやすくなります。さらに、金融機関の紹介や返済プランの説明が行われ、資金繰りの面での不安を解消するようにしている、とのことです。

セキュリティ設備を見学
 ますます、入居者のセキュリティ性に対する意識が高まっています。防犯グッズの提供や防犯カメラの設置、防犯シールなどあらゆるセキュリティ対策をオーナーに提案する際、一緒に物件を見学に行く、という事例が紹介されています。セキュリティ面で意外と効果的なのは、エントランスの改修です。住戸部分は手をつけずにいても、エントランスだけリフォームする場合もあります。オートロックが付いているかどうかは、物件の入居率を大きく左右する要素になっているからです。ニーズに応えられると同時に、コストを最小限に抑えることができます。これらの設備の必要性をオーナーと見学することによって理解していただく、とのことです。
 このような事例の中から、オーナーの物件に合った空室対策をお考えになってください。

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