分譲マンション対策 新築分譲マンションの売れ行きが相変わらず好調のようです。価格の手頃感と低金利が購入意欲を後押ししているのでしょう。「現在支払っている家賃と同額か少ない返済額で買える」という物件が周辺にも増えています。 昔は賃貸に住む人は、「買いたいけど買えないから賃貸に住む」という方が多かったと思いますが、現在は、「買う必要がないから」とか「気に入った物件がないから」「賃貸の方が気楽だから」という人が、主な賃貸需要層を構成しています。ですから「いつかは分譲マンションを購入して住みたい!」と願っている人を賃貸マンションに留めておくのは難しいでしょう。 では、これから賃貸マンションを建設する場合、分譲マンションに負けずに、安定経営を実現するにはどうすればいいでしょうか? まず、「地域的に競合しそうな分譲マンションを充分に研究する」ことです。価格・間取・設備・支払い条件など。新築・中古を問わずに出来るだけ調査します。 次に、「それらの分譲マンションとの差別化を明確にする」ことです。分譲マンションと真っ向から対立しても不利なだけですから、競合のリスクを軽減するよう工夫する必要があります。例えば「間取り」。分譲マンションは広い層に訴えるために3LDKなどの間取りが圧倒的に多いです。ということは、1Kや1LDKの分譲マンションはあまり多くありません。単身者向け物件のニーズは、賃貸市場ではこれからも堅調だと予想されています。我が国の人口は減っていくのに世帯数はまだ増え続ける、という予想からも、単身世帯の増加傾向が見えてきます。ただし、面積は広めにしておくことが大切で、少なくとも30u以上をおすすめします。“家具付き”ならもっと魅力的です。 あるいは、「広めのファミリー層向け賃貸マンション」を建てる場合でも工夫の余地があります。それは、室内を上下二層で使用する“メゾネットタイプ”です。賃貸マンションの中に2階建てのような居住スペースがありますので、上下階の音の問題などが軽減されて人気があります。分譲マンションでは取り入れられるケースが少ないですから大きな“差別化”となるでしょう。 ほかにも、“ペットと共に暮らせる”“楽器の演奏ができる”など趣味的なものに特化するという方向も考えられます。特に日本は飼われている犬猫の数が世界第2位というペット大国です。総理府の調べではペットを飼うことが好きな人は全体の7割もいて、事情が許せば飼いたいと思っている人が沢山いるようです。しかしペット飼育可能な集合住宅は全体の20%にも満たないのが現実で、飼育可能な住宅を探している人はとても多いのです。潜在的な需要は、単に「飼える」だけでなく「ペットと暮らすために特化した設備」が求められています。 最近の「構造偽装問題」の報道を見ていると、マンションを購入することの怖さを感じる人は多いのではないでしょうか。賃貸であれば、別の賃貸住宅を探して住み替えれば住むことです。貸主も“買い戻し”ほどの資金は必要としませんから、転居費用の負担がされない、という問題も起こりにくいと思います。賃貸マンションが、耐震診断を受けることによって構造上の安全性を宣言できれば、分譲に勝てる要素も出てきたのではないでしょうか。 草加市の賃貸情報 |