入居者とのコミュニケーション


  業界新聞の記事に「オーナーが如何に入居者とコミュニケーションを図るか」とい特集がありました。参考にしていただけそうな内容をピックアップしてみました。


  まず、変わった方法でコミュニケーションを図るオーナーの紹介から。福岡市のIオーナーは入居者へのあらゆる連絡を携帯電話のメールで行っています。掲示板代わりに受水槽点検の実施の連絡も、ガス、水道料金の請求や更新日のお知らせ、クレームの受付までメールで対応しています。入居者から騒音のクレームが届いたときは、全員に対して「静かにしましょう」というメールを送りました。家賃が遅れている入居者に対しても電話で督促する前に「入金お願いします」と送っておくと、相手の反応が違ってくるそうです。電話や訪問や掲示板の貼り出しよりメールの方が、確かに気づいたときにすぐに行動できそうです。

  大阪のTオーナーは意思疎通の方法としてアンケートを実施しています。賃貸住宅の競争に勝ち残るために入居者のニーズに合った設備を付加することが必要ですが、そのためのアンケートを実施しています。テレビドアホンの設置を検討したときに入居者に直接問いかけてみました。家主や業者の判断だけで新しい設備を入れるのではなく、入居者の声を聞いてから導入した方がリスクが軽減できます。愛知県のHオーナーも、ブロードバンドサービス(光ケーブルのインターネット接続)導入について入居者に問いかけてみました。結果は、単身者の法人契約が大半を占めているせいか「あまり需要がない」ことが分かり取りやめた、という例が報告されています。 

  熊本県のOオーナーは、直接顔を合わせてのコミュニケーションを重視しています。入居率が悪化したときに「何か要望はありますか」と取材して歩くと、さまざまな要望が寄せられました。「ごみが散らかり放題で汚い」「木の枝が垂れ下がって暗い」とか。すぐに問題を解決しようとライトを設置したり清掃業者に依頼するなどの手配をしました。努力の結果、満室にできたとのこと。さらに、入居者とのコミュニケーションは退去時にも欠かせないと指摘しています。顔を合わせて挨拶しておく事で原状回復のトラブルを防ぐ効果があると言います。

  なかなか難しい事例ですが、埼玉県のTオーナーは入居者向けのイベントを実施しています。餅つき、お花見、夏の花火鑑賞会など季節ごとにイベントを開催して入居者を招いています。秋には芋ほり会を計画中だとか。イベントにかかる費用は会費として参加者から徴収して、残りはオーナーが負担しています。実質的にはコストの半分以上をオーナーが負担しています。すべてのイベントをオーナーの自宅や付近で開催しています。これらのイベントを開催する事で得られるのは、入居者との良好な関係で、その他に地域活性の役割も果たすようになっているそうです。

  家主と入居者は対立関係にあるものと入居者に思われがちですが、永く住んでもらうために入居者ニーズを吸い上げ、トラブルも防げる良好な関係を作ることが大切ですね。

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