安定経営のための7の法則 長期安定経営を守るためにはどうしたらいいのでしょうか。これを守れば安定経営間違いなしというポイントをまとめました。 法則1 経営計画は最終目的を決定することから 意外かもしれませんが、取り壊しの日を決めるところから賃貸住宅経営はスタートします。 例えば何千万円、何億円もの資金を投入して投資を行うとしましょう。レンタカーショップ経営ならば、予想される収入、修繕計画、減価償却後の車両の買い換え時期が決められます。一方、住宅は同じレンタルビジネスでありながら、商品のサイクルについて考慮されることがほとんどありません。不動産は永久だとみな無意識のうちに考えてしまっているのです。 しかし、それが原因となって修繕が遅れ、質の低下が著しくなります。どれだけの収益を何年にわたって目的としているか分からないため、エンドレスで貸し続け、気付いたときには老朽化、不良入居者問題など一気に噴出してしまうのです。 計画的に、定期借家契約に切り替えていくことにより、法外な立ち退き料を要求されるリスクをなくす方法もそのひとつです。 建物の一生を意識して、若返り・老化防止策を効果的な時期に行うことが大切です。 家主さんの多くは賃貸経営のゴールを考えていません。しかし、必ず終わりはくるのです。不動産が永久でないことを知ることから安全な経営が始まるのです。 法則2 所有物件の特徴をよく知ること 長期計画が建てたら、今の物件状況を把握することが大切です。 間取り、環境、デザイン、入居者関係などさまざまな条件のうちどこがプラス面なのか、反対にマイナス面は何か。それぞれ10項目ずつ挙げてみます。もしスラスラと項目が出てこない場合は、まだ物件のことが分かっていない証拠です。そして、これらの条件から総合得点をつけてみます。家主さんのほとんどが自分の物件を90〜100点とつけますが、いったん他人の所有物と考えて客観的に見直してみることが大切です。 法則3 隣の物件との相違点はどこか 周辺状況の把握も肝心です。部屋探しをする人は平均4〜5店の不動産会社を訪れ、それぞれ3件くらいの物件を内見するといわれています。 つまり10〜15戸の中から選んでもらうためには、その地域で競争力のある物件でなければなりません。競合するのは隣の物件かもしれません。周辺でどのようなマンションが人気があるのか、賃料設定は適当かなどを知る必要があります。 法則4 円満な入居者関係が満室を呼ぶ 入居者がずっと住みたいと思えるような物件づくりのために全力投球をすることが一番大切です。例えば、物件の雰囲気をよくするために植物を飾っているオーナーがいます。帰宅したときにエントランスに植物があるだけで入居者の気持ちが和むのではないかと考えたからです。また、その植物の世話を兼ねて物件の見回りも欠かしません。入居者とそこで交わす会話からトラブルの芽を早くつみとることができるのだといいます。 「先日もある子ども連れの入居者と話しているときに、前日に子どもが騒ぎすぎてしまったことを聞きました。一緒に階下の人に謝ってほしいといわれ、早速2人で謝りに行きました。階下の人も別段気にしていませんでしたが、このような少しのことがトラブルを防いでいるのだと思います」 入居者同士の争いがおきると、周囲を巻きこんで大問題になることもあります。コミュニケーションを図ってておくことが、良い雰囲気づくりになり満室の秘訣になります。 法則5 勉強するオーナーは得をする 賃貸住宅は建ててからが問題です。いかにしてコストを抑えながら物件の価値を維持するかがカギを握ります。ここで新しい製品などについて勉強の必要性が重要になります。現在、建築家・設計士の間では、ランニングコストを抑え、メンテナンスのいらない建材についての注目が高まっています。多少のイニシャルコストがかかっても、メンテナンス費を計算すると安くなることも多いからです。 10年前に多く使われた屋上防水シートなどは今や、新しく改良されて品質の良いものが統々と出てきています。このようにリフォーム材にも改良が進んでいます。情報収集を積極的に行い、勉強することが最終的にコストを抑え得になるというわけです。 法則6 複合経営が危機から資産を守るカギ アメリカなど投資先進国といわれる国では「ポートフォリオ」は常識となっています。資産を不動産・株・金融などに分散して投資し、もしものときのリスクヘッジを図るという意味です。「しかし、日本ではほとんどの資産家が土地に偏っています。賃貸住宅のオーナーにも同じことがいえるのではないでしょうか」東京住宅協会(東京都渋谷区)の高橋茂会長はこう語ります。100%安全という投資先はありません。安全に活用するには、分散によるリスクヘッジが 必要なのに、土地神話の根強い日本ではいまだに不動産に偏りが大きく、少しの賃貸市場の冷え込みがオーナーに大打撃を与える原因になっています。 また、賃貸業の中でも同じタイプの物件に偏ると市場の変化に対応できません。20年、30年後の市場予測をできる人はどこにもいません。 「住宅だけでなく、駐車場、店舗、トランクルーム、倉庫など土地に合わせて、さまざまな物件を持つことでもしものときに備えるべきでしょう」(同氏)。アメリカではあたりまえのことも、日本ではあまり重視されていません。資産を守るためのポートフォリオをつくりあげることも今後のポイントになるでしょう。 法則7 資産全体の効果を把握すること 賃貸住宅を建てたものの、総合的に見ると決してプラスになっていないというオーナは多いようです。 原因として考えられるのが、相続の発生です。ひとつの物件自体は高収益を上げてもそれ以上に課税されてしまっては意味がなくなってしまいます。複雑な問題だけに後回しにされることが多いのですが、いざ相続となったときに税金が払えず物納しか方法がなくなってしまうリスクを減らすためには、早め早めの対策が必要です。資産税対策を専門にする税理士(税理士なら誰でも専門ではない)に相談してみることが必要です。 大阪市中央区の賃貸サイト |