「空室対策を考える
  〜インターネットを利用する〜



引き続き、空き室対策についてご一緒に考えましょう。

 広告活動には、次のようなものがあります。
@店頭掲示
Aチラシ配付
B地域配付型の情報誌
C現地案内看板
H住宅情報誌
Eインターネットホームページ


インターネット時代で格差は拡大する

 この中でもインターネットの登場は今後大きなインパクトを与えるでしょう。
 お客様にとっては無限の情報が無料でリアルタイムに得られ、家賃や間取りなどの条件による検索も瞬時にできる上、店まで足を運ぶ煩わしさもありません。最近では「まずインターネットで物件を絞り込んでから来店する」という行動を取る人が急増、業者にとっても情報誌やチラシより情報コストが少なくて済むため、インターネットのホームページを見て来店したお客様に仲介手数料を割り引くサービスを実施しているところもあります。

 成約件数に占める割合は少ないものの、今後のインターネットの普及速度を考えると、こうした取り組みに積極的な業者と出遅れている業者とでは、集客力に大きな差が開くことは間違いありません。インターネットの普及に懐疑的な人々もいますが、パソコンからだけでなく、次世代携帯電話やテレビ、ゲーム機などからも簡単にインターネットにアクセスできるようになりますから、インターネット人口は爆発的に増加すると予想されまます。

 オーナーの中には、インターネット上にホームページを開いて、直接お客様を募集しているケースもあります。直取引ですから仲介手数料はゼロ。パソコン好きな人にとってはホームページの作成など簡単ですし、情報誌などに広告を載せることを考えれば、情報コストは劇的に安くてすみます。しかも紙媒体では情報の量(スペース)に制限がありますが、インターネットにはそうした制約はありません。
リアルタイムに世界中に情報を発信できることから、こうした試みもますます盛んになることと思います。

不動産管理会社に問題はないか

 「私は昔から××不動産にお世話になっいますから」と言い、昔からの付き合いのある不動産会社に入居の斡旋を任せているのはいいのですが・・・・。もし、その不動産会社が、「インターネット、そんなもの知らないよ。チラシを作って業者仲間への広告はきちんとやっているよ」と言われたらどうしますか。確かにその不動産会社は今まで通りのやり方で一生懸命に努力はしています。しかし、この時代にホームページを持たずにインターネットを全く利用しない会社であれば、「ホームレスの会社」と言えます。「お客様の募集は問題あり」とはっきり言えまます。

 今やお客様、特に20代〜30代のほとんどがパソコンを利用し、情報を集め、その中から自分に合ったものを選択する行動を開始しています。となれば、オーナーの部屋がインターネットに登録されていなければ、最初からお客棟の情報ルートに入っていないことになります。オーナーの皆さん、一度賃貸管理会社や不動産会社がどんなやり方でお客様の募集をしているかを自分の目で確かめてみて下さい。

世論は一日で形成される

 大手メーカーの対応の悪さがインターネットのホームページで告発され、何千人という人にあっという間に伝わって、メーカーが謝罪したという事件がありました。「インターネットの世界では世論は一瞬にして形成される」ことを印象づける出来事でした。
 賃貸住宅市場においても、お客様の評価がインターネットを通じて一瞬のうちに不特定多数の人々に伝わる時代が来ました。インターネットを上手に利用すれば、コンセプトマンションのような特殊なものを効果的に特定層にPRしたり、お客様とのリアルタイムのコミュニケーションを可能にするなど、賃貸経営の効果的な武器になりますが、反面、お客様を大切にしなければ悪評もまた瞬時に広がります。
 ハイテクの時代だからこそ、お客様ひとりひとりを大切にするハイタッチの対応が重要な鍵を握ることになると言えましょう。

オーナーの部屋は選ばれている

 インターネットは瞬時に多くの人に情報が発信され、誰でもが情報を入手することができます。アパートの情報はお客様がいつでも見られ、比較検討できます。昔のように、「駅前不動産」の広告を見ることは少なくなっています。自宅に居ながらにして、いつでも部屋の検索ができるのです。オーナーの部屋は外観、部屋、設備、価額などが多くの物件と比較され、お客様にいつでも選ばれているのです。


  〜優良な管理会社を味方につける〜

 賃貸市場の競争が激化するにつれ、管理運営の善し悪しによる経営の差がはっきりと出てきました。優秀な管理運営会社と組むことが空室損失を最小限にする大きなポイントとなっています。
 では、どんな業者と組めばいいのでしょうか。業者選びのポイントを考えてみましょう。

〔業者選びのポイント〕
・反応が早い
・地元の情報に精通している
・自社の実績を数字・指標で説明できる
・総合的なコンサルタント能力がある
・レポーティング能力がある
・数字に基づく運用計画が提案できる
・クレームなどのマイナス情報も伝え る
・お客様に信頼されている
・情報化が進んでいる
・独自のデータベースを持っている
・オーナーの立場にたって仕事をする
・空室管理がしっかりしている
・管理戸数が多い


クレーム対応、レポート力が大事

 クレームなどのマイナス情報までオーナーにきちんと伝えるかどうかという点は大変重要です。いい情報だけしか流さない御用聞きなのか、オーナーの立場にたってその利益を最大にするために仕事をするプロパティマネジメントなのかの違いが、この部分に現れてきます。
 レポーティング能力も同様です。月々のレポートはすべての経営判断の基になるわけですから、管理運営の報告を文書でレポートできるかどうかも、能力を判断する上でたいへん大きなポイントです。

 ある管理運営会社は、インターネット上でオーナーが所有物件の状況をリアルタイムに確認できるシステムを構築しています。パスワードを入れると、現在の空室状況やお客様からのクレーム、家賃の収納状況までリアルタイムに確認でき、それに対する質問や指示もネットでできるようにするシステムづくりを進めています。これならば、オーナーが遠く離れている場合もリアルタイムに的確な経営判断ができます。

 また、自社の管理物件の運用実績を数字や指標で即座に示すことができ、独自のデータベースを持っているようなところは、内部の業務管理体制がしっかり構築されていることを意味します。管理物件の稼働率や家賃の値上がり率などを聞いて、すぐに出せるところは相当に優秀な管理会社と見ていいでしょう。

 きちんとした空室管理ができるかどうかも判断基準になります。何度も述べましたが、今後は空室損失を最小限にすることが、賃貸経営の重要なポイントですから、インターネットなどを使った広範囲なお客様の募集ができ、お客様が物件を見に行ったときに、物理的にもきちんとした状態で管理がされていなければなりません。
 こうした質の高い管理運営にはコストもかかります。オーナーの立場で仕事をしてくれる管理運営を主体としたオーナーズエージェントをパートナーに選び、資産価値を高めるために必要な管理運営コストであればきちんと認めるという姿勢が、これからの賃貸経営には必要になります。


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