「空き室対策のアレコレA」 入居希望者は、いくら条件が良くても実際に下見にいった時の印象で契約しないこともあります。逆にちょっとした条件の悪さは物件の「第一印象」を良くすることでカバーできるケースもあります。 行き届いた管理とメンテナンスで入居率アップ いくら立地条件や賃料、入居条件が魅力的だとしても入居希望者が物件を見に行ったとき、ごみ捨て場が汚かったりエントランス、廊下など共用部分が汚れ放題だったらどうでしょうか。 逆に、少しぐらい駅から遠かったり築年が古いとか、条件の上では競争力の低い物件でも、行き届いた清掃やきちんとしたごみの管理が、下見時の好印象につながり入居につながる場合もあるのです。 また、日常的な管理やメンテナンスをきめ細かくに行えば行うほど、放置しておいたら物件の寿命を縮めかねないトラブルを早期に発見でき、補修やリフォームにかかる費用を低く抑えられる利点もあります。 エントランスや廊下など、アパートやマンションの共用部分の清掃は、最低でも週に1回は必要です。それぐらいの頻度で掃除をしておけば第一印象で「小ぎれいな物件だな」と思わせるには十分です。 日頃の行き届いた清掃のほかに、ちょっとした工夫で入居者の第一印象をよくすることができます。たとえばエントランスあたりにある各戸の郵便受け。投げ込まれたチラシがはみ出していたり、床に散乱したりして見苦しい場合が少なくありません。こんなときは、郵便受けの下にごみ箱を置いておき、入居者が捨てやすくするだけで効果大です。またアパートやマンション名を書いたプレートは、いつもきれいに保ち定期的に新しくすることです。個々の部屋のネームプレートも、入居者が変わったら必ず付け替えることも忘れずに。 さらにエントランスや階段の踊り場などに観葉植物を置くといった、さりげない演出も、第一印象アップには効果的です。(観葉植物は専門の会社からレンタルできるのでこうしたシステムを使うのも一法です) 個々の部屋の内部のメンテナンスについては、エアコン、壁のクロス、台所のコンロなどは、早め(エアコンなら5〜6年)の取り替えが効果的です。 またドアのノブや浴室のシャワーのホース、便座やバスタブの蓋など、コストのあまりかからないものを新品に取り替えておくのも第一印象をよくするコツです。気配りの行き届いた部屋には、人は誰でも住みたくなるものです。 「今」の賃料よりトータルな収益増を考える 「毎月いくら賃料がとれるか」にこだわりすぎるのは考えものです。目先の利益より、トータルでいくら収益が上がるかを考えるのが、アパートマンション経営の王道です。たとえば建物が古くなれば、建物自体の補修や、機器の修理など、何かと物入りになります。 入居者が故意や過失で壊したものなら別ですが、古くなった外壁の塗装や、寿命がきたエアコンや給湯器などの交換費用は、当然大家さんの負担になります。にもかかわらず今の利益にこだわり補修や交換を怠れば、建物そのものの寿命を縮めるのはもちろん、空室率が上がりアパートやマンションを建てる際に立てた収支計画を下回ることにもなりかねません。 ほとんどのアパート・マンションは計画的なメンテナンスやリフオームを怠ると、途中必ず入居率が下がって空室が目立ってきます。そうなってから、あわてて大がかりな補修工事をやっても実はもう遅いのです。なぜなら、すぐに建て替えの時期が来てしまい、大がかりな補修工事にかけた費用をすべて回収するのが困難になるからです。逆にいえば、いつか必要になる大がかりな補修工事をどの時期にやるのが一番効果的か、十分に考え、修繕計画を立てておく必要があるということです。 大規模修繕はアパートなら築9年18年と覚えておこう たとえば、アパートの寿命は25年で建て替えを考えるのと、なんとか30年以上もたせたいと考えるのでは、長期的な修繕計画も異なってきます。 仮に25年で建て替えることを前提に考えると、築9年目と18年に大がかりな補修を行う計画がベストです。マンション・アパートの建物本体各部の補修・交換時期の目安は、外壁や屋根塗り替えなどは、10年がひとつのサイクルになってます。ただ25年で建て替えるとすると、最後の3年間ほどは住居者の立ち退き交渉などで収益があまり望めません(今後はそのためになるべく定期借家契約に切り替えておくべきです)。残りの22年間で効率よく収益をあげるには、早め早めの補修・交換を心がける意味でも9年、18年と覚えてください。 以上のような修繕内容や修繕時期の目安は、管理会社に管理を任せるようなケースでは、途中で各部の写真などが添付された「あなたの建物の診断書」などの形で提案があったりします。もし建物の管理を大家さん自身が行っている場合は、いま一度ご自分でチェックすることをおすすめします。もちろん、通常言われているアパート・マンションの寿命以上に自分の物件をもたせたいと考えるなら、通常よりさらに短い間隔で補修をする必要があるのはいうまでもありません。 肝心の費用ですが新築時から建て替え時までのトータルでかかる補修・交換の費用は、建設費の1割と考えておけばよいでしょう。建設費が1億円のマンションなら約1000万円です。こう書くと高いようですが、月割にすれば賃料の数パーセントです。この程度の投資で長期間安定した収益が上げられれば、決して悪い話ではありません。 神戸市の不動産サイト |